今朝は本当に冷え切っていて、空が青くてキレイなのに空気が凍っているようだった。
10年に1度の最強寒波が来た日に、伯母の葬儀があった。
とってもカッコ良い伯父の奥さんで、2回くらいしか会ったことがないけど、ビールが大好きな人だった。
2回しか会ったことがなくても、笑顔がとても印象に残る人だった。
葬儀場は都内でも割と大きいところで行われていて、次から次へと車と人が出入りしていた。
建物の中で待っているときも、同じような喪服に身を包んだ人たちが何組も前を通って行った。
ここにはきっと同じような気持ちになっている人ばかりが集まっているのだな、と感じた。
淡々と叔母の葬儀が進み、火葬場に足を踏み入れたとき「あぁ、このにおいだ」と思い出した。
数年前、祖父を亡くしたときの火葬場で知ったにおいと同じだった。
顔が熱さで火照りながら、胃に肺に溜まるようなにおい。
人が亡くなるって、こういうことだよな。
そう思った。
周りには同じような人がたくさんいて、流れ作業のように葬儀は執り行われた。
きっと、伯父にとっては悲しむ暇もないくらい、あっさりと伯母はお骨になった。
人の死に触れるのは当たり前に唐突で、そのたび私は死について考えてしまう。
亡くなったら、何もなくなってしまうこと。
大事な人を残してしまうこと。
でも、人の死ってそれだけじゃないのかな、と思った。
亡くなったとき、誰かの心に少しでも自分の姿が残っていたら、それで良いのかもしれない。
人は、死んだらどうやっても"モノ"となってしまう。
もう生きていないし、話すこともできないし、それはもうヒトではない。
悲しいけど、そうなのだなとも思った。
だからこそ、生きてるうちに誰と会うのか。
何をするのか。
この繰り返しの日々を過ごしながら、どうやって生きていくかを考えるしかないのかもしれない。
そうやって生きていき、死んだ時に誰かの心に残る生き方ができたのなら、それはもう幸せなのかもしれない。
伯母は、きっとそういう生き方をしたんだなと思った。
2回しか会ったことがないけれど、伯母の笑顔はずっと色濃く残っていて、私も笑顔で生きていようと思った。
どうか安らかに。
たくさんビールを飲んでくださいね。