中学の頃「負の感情のときに創作が捗る」ということに気づいた。
怒り、嫉妬、憎しみ、悲しさなど……。
これらの感情で生まれる作品は、何かしら人を惹きつけるものがあるなと思う。
アーティストも何かの感情を作品にぶつけていて、それに対して私たちは共感したり、感動するものだ。
なので、私は負の感情に包まれているときに頭の中に浮かんだ言葉を詩にしたり、自分に襲いかかってくる感情を作品として昇華してきた。
そうしないと割り切れなかったりした部分もあるが、それによって自分の作品というものに重みが増したようにも感じる。
私の自然に身につけた感覚は正しかったらしく、大学の講義で萩原朔美さんも同じことを言っていた。
言葉で聞いた時「あぁ、今までは間違いじゃなかったのか」と心が軽くなったのを覚えている。
だが、今まで負の感情で創作が捗ってきたので、それがなくなったとき上手く創作できないのだ。それが自分の中で怖いこととなっていた。
だからこそ、幸せになりたいと願っている自分と幸せになったら創作できなくなる、という2つの気持ちに挟まれていた。
「私は幸せにならないほうがいいのではないだろうか」と考えたこともある。
今では極論だな、と思う。
たしかに負の感情のときが一番捗るのだが、幸せなときでも創作はできる。
それに、自分の幅が広がる。
世界が広がる。
幾度と無く負の感情を噛み砕いて、自分のできる方法で昇華していたのだから、幸せなときでも同じことができるはずだ。
まだまだ知らない感情がある。
まだまだ知らない自分がいる。
見つけられる限り、創作に終わりはないなと思う。