私は言葉が好きだ。
人それぞれ個性があるし、気持ちをそのまま乗せることができる。
様々な人の思考も知れたり、綺麗な言葉には感動する。
小さい頃に本をたくさん読んでいたからか、言葉や文字というものが好きで、ご飯中に暇なときはペットボトルの文字まで読んでしまうくらいだ。(文字好きにはわかってもらえるはず)
そんな感じなので、視覚的な記憶力は得意に育った私。
しかし、対照的に聴覚的な記憶力はどうにも弱いということに最近気づいた。
意識が少し違うところにあると、ただの音として相槌を打ってしまうときがあるし、そうなると「あれ、さっきなんか言ってたけどなんだっけ」となってしまう。
あと、意識を向けて聞いていたとしても、何日か経つと砂浜に書いた文字のように、波にさらわれたかのように朧げになってしまう。
「なんか多分、こんな感じの話だったはず……」みたいな。
もちろん、大事な用事や話はきちんと意識を向けて聞くので覚えているのだが、ちょっとした話はすぐ忘れてしまう。
バイトしていたときも、数字を口頭で言われるのが苦手だった。
聞いた数字を一度頭の中で映像にし直す感じになるのだ。
きっと私は文字を映像として認識しているんだろうな、と思う。
こういうことを考えると、自分が発した言葉に一貫性があるのか不安になる。
自分が前に何を言ったのかちゃんと覚えてないから、その場その場で言うことが変わっているのではないか、と。
でも、今まで書き残した文章を読み返すと、自分の軸はまったく変わっていないことに気づく。
私にとっての言葉は、自分が自分であることを再認識する方法かもしれない。
そんな風に最近は思う。