人生において、様々な人と出会う。
それはとても長い縁になることもあれば、ほんの一時の縁もある。
人と極力関わるなと言われるこのご時世。
しかし、人は人と関わることで人生を豊かにできるものだ。
今回から、私の人生の中で出会った名も知らぬ人とのエピソードを書いていこうと思う。
読んだ人にとっても、一時縁のあった誰かを思い出せますように。
一緒にスーパーへ行った男の子
親に連れられ物件探しをしていたときか、もう決まったのか。時期は定かではない。
大人同士で話しているのを見ていて楽しい子供はいないので、私は目の前の公園で一人遊んでいた。(今考えるとよく一人で遊ばせてたな、親よ)
ふと顔を上げると男の子がいた。
当時5歳ほどだった私よりは年上だが、せいぜい小学校低学年くらいだろう。
小さな頃から初対面の人とすぐ仲良くなっていた私はその子ともすぐ遊んだ。
しばらくすると、男の子が「近くのスーパーにお菓子買いに行くから一緒に行こうよ」と誘ってきた。
親に何も言わずに行くのはダメだよな……と思いつつ、好奇心が勝った私はその子と共にスーパーへ向かった。
はじめての土地、はじめての友達、ワクワクしていた。
男の子がお菓子コーナーで色んなお菓子を見せてくれたけど、お金を持ってなかったので私は何も買わなかった。
お菓子を買ったその子と一緒に公園へ戻ったら、私のことを死ぬほど探していた親と再会した。(本当すまん。軽く誘拐事件だよね)
その後、その土地で暮らしていたのだが、男の子と再会することはなかった。
例のスーパーのお菓子コーナーを見るたびにその子のことを思い出したりしていた。
元気にしてるのかな。
それともあの子は人じゃなかったのかな。
一時、私を冒険へ連れて行ってくれたあの男の子。
ありがとうね。
<2020年9月5日 21:59 noteにて>